「がんは幸せな病気」なのか?
手術後にあまりトピックがないので、こういうときはいろいろがんについて漫然とサイト訪問することが多い。
ふと目についたのが「がんは幸せな病気」論である。
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「がんは幸せな病気である」という理由の一つに「死期がある程度わかるため残された時間を有意義にすごしやすい」というのがある。
確かに
・エンディングに向かう本人、家族の準備ができる
・会いたい人とのお別れができる
のは大きいでしょうね。
私はがんになるということは死因が一つ増えたと考えてしまうので、実はあまり同意していない。また、末期の症状が本人や家族にとって辛い、もしくは認知に支障が出るケースも多いので、残された時間の有意義な使い方と相殺できるかどうかはビミョーだと考えてしまう。
ただ治療が難しいがんだと、がん以外で死ぬ確率は非常に低いので、残りの人生を意識して過ごすことができる点は理解する。
ただし…
健康な人は不用意に「がんは幸せな病気なんだってね~♪」なんて言わないほうがいいでしょうね。がん患者に向かって言わなくても、雑談レベルでも。
たまたま周りにいた人ががん患者かもしれません。私の会社にも周囲にがんと言わずにがん治療しながら仕事している人がいます(私は周囲に話をして業務調整について協力をお願いしました)。
「がんは幸せな病気」と言うことが許されるのは本人と家族、いや本人だけなのかもしれません。
余談:
がんになって自分自身、いかに正常性バイアスによって事実からを逃避していたことに気が付きました。健康診断で異常があろうが、下腹部に痛みがあろうが。
それを改めて思ったのは、先日の大雨による避難勧告によって避難した人は数%だったと聞いたときです。もちろん避難しなかったことが被害原因のすべてではないことは理解しています。
「自分だけは大丈夫」という正常性バイアスが働くと取り返しがつかないことになるかもしれません。リスクはしっかり管理していきたいと思います。
取り越し苦労でも無駄骨でも、後で笑い話、思い出話にできれば幸いなことです。